
さる2月15日。大阪中津にあるボードゲームショップ『BOARDGAME Lab!DDT』(ボドラボ)さんで開催された、トリテ(トリックテイキングゲームの略)好きカップルとしても有名な、とりっくまさんと拙作エルタイルズのAsobition版のアートワークも手掛けてくださった別府さいさんの主催による、4000年に一度のトリックテイキングの祭典、「トリンピック」に参加してきました!
[出場者募集]
— 別府さい Sai Beppu (@allotment31) December 8, 2019
4000年に一度のトリックテイキングゲームの祭典「トリンピック」の開催地が大阪に決まりました!
2020.2/15 sat、中津のボードゲームラボDDTさんのルームBにて。目指せ、トリックテイ金メダル!
詳細 https://t.co/4f4qvGxIXi pic.twitter.com/0No9p41Pwx
参加者は総勢20名。予選ラウンドは1グループ4名で5グループに分かれ、5つのゲームをグループ毎に異なるものでプレイ人数分の4ラウンドを行います。
私は【A】グループでメンバーはお知り合いの絵梨さん、クロゲンさん、初対面のももさん。

1ゲーム目はリードープレイヤー(各トリックの最初にカードを出す人)の出したカードに対して好きなカードを出せるメイフォローのトリテとしても人気の高い、ブルクハルトの『ポテトマン』。
場に出されたスート(色、マーク等)と異なるスートなら何を出してもOK!
ただし、出せるカードがない場合、その瞬間にトリックが終了という、なかなか類を見ないタイプのトリテです。
そのトリックで一番ランク(数字)の高い人がトリックに勝ち、そのスートに対応した得点カードが得られます。
ランクの高いスートほど得点が低く、逆にランクの低いスートほど得点が高くなっています。
そしてなんといっても、タイトルにもなっている「ポテトマン」は黄色の1〜3という、最も弱いカードなんですが、最も強い赤のカード(16〜18)が出されたときだけ勝利します。
これが決まると超気持ちイイです!!
また、色ごとの得点カードは数に限りがあり、無くなると最も得点の高いカードが得られることも度々あるので、それを狙うのも楽しいですよ〜
このゲームでは1位のももさんがダントツで1位。私は2位タイでした。
2ゲーム目はビット(獲得できそうなトリックの回数を事前に宣言)式のトリテの1つでもある『スラフオフ』(オリジナルは七つの印で、ウィザードエクストリームというタイトルでもリメイクされています)。
これがとても面白くて、トリックはマストフォロー(リードされたスートと同じスートのカードがあれば、必ずその中から選んで出さないといけない)で、どのスートで何回トリックに勝てるか。それを予想していくのが非常に悩ましく、他人の動向も考慮していくとある程度は戦えるので、初心者でもかなり楽しめると思います。
こちらは失点系のゲームなので最高は0点ですが、私は−13点で残念ながら3位でした。
3ゲーム目はDIAMONDS。
トランプと同じ4スートですが、各15枚あり、切り札なしのマストフォローです。
最初に各自に配られた10枚の手札から、リードープレイヤーが決めた枚数(1〜3枚まで)を左隣の人に全員が渡します。
ダイヤを他人に取られないように、各自自分の手元には衝立(金庫)があり、衝立の外は1点、衝立の内は2点の勝利点になるのですが、トリックに勝つと、以下のように各スートに対応した4つ効果が発動します。
@ストック(共有)からダイヤを1個、自分の衝立の内に入れる
Aストック(共有)からダイヤを1個、自分の衝立の外に置く
B自分の衝立の外のダイヤを1個、自分の衝立の内に入れる
C他の人の衝立の外にあるダイヤ1個、自分の衝立の外に置く
フォローできなかったらトリックを取れない代わりに、出したスートの効果はそのときに発動するので、それを上手く利用できれば結構稼げます。
また、スート毎に獲得した枚数の1位の人はそのスートの効果が1回使えたり、ミゼール(1度もトリックに勝たない)が成功すれば@の効果を2回使えたりします。
人数分のラウンドをおこなうので、1ラウンド10トリックで終了になります。
気軽に2〜6人まで遊べるのは嬉しいです。
ちなみに初めての1位はこのゲームでした。
4ゲーム目はノーティス。
トランプで遊べる国産の創作ゲームらしく、ジョーカーを除いた52枚で遊びました。
マストフォローです。4人の場合、各プレイヤーの手札は12枚、残りの4枚のうち1枚が切り札でそれ以外は使いません。
こんなの良く思いつくなぁ〜と思ったのは、配られた手札を確認した後、1ラウンド目は左隣、2ラウンド目は左隣、3,4ラウンド目は対面にそれを渡すんですw
どういうことかというと、渡す相手が何トリック取れるかを予想し、それを秘密裏に記録。
更に自分が受け取った手札を確認し、それは自分自身が何トリック取れるかを予想し、記録しておきます。
そして全トリック終了後に得点計算をします。
・自分の取ったトリックは1回につき1点
・自分の取ったトリック数が自分の予想とピッタリ合っていれば5点
※予想を下回って外れた場合、その差分がマイナス点
※予想を上回って外れた場合、その差分×3がマイナス点
・手札を渡した相手の取ったトリック数が自分の予想とピッタリ合っていれば5点
※予想が外れた場合、その差分がマイナス点
私以外の方は上手く予想を的中されていて、私自身はダントツ最下位だったのですが、ゲーム自体はとても面白かったです!
5ゲーム目はアメリカンブックショップ。
作者はサークル倦怠期の大新さん。
トリテといえば大新さんの名前が真っ先に出てくるくらい、トリテ界隈でもファンが多い方で有名です。
ルールは切り札なしのマストフォローで、4スート×13枚(1〜11が1枚、0が2枚)というカード構成ですが、これぞ大新さんだ!と叫びたいのは、既に場に出されたカードの合計数字が「規定数以上」(3人:15、4人:16、5人:17)なるとそのトリックが終了してしまうんです。しかもそのときにその規定数以上になる数字を出した人がトリックを取ります。
また、全員が1枚ずつ出して規定数を超えていなければ、リードスートで最も大きい数字を出した人がそのトリックを取ります。
手札の減っていく枚数が同じではなく、誰かの手札がなくなるとトリックが終了します。
そしてスート毎に獲得枚数を比べて、最も多い人は1枚1点になりますが、それ以外の人は1枚マイナス1点に。トップが同枚数の場合はどちらもマイナス点です。
また最後に残った手札があれば、それを獲得したカードに付け加えてそのスートで1位になるか、そのまま伏せて失点を減らすという選択もできます。
ノーティスに続いての最下位ではありましたが、こちらもとても面白かったです!
最終的にこの予選は2位、3位、1位、4位、4位という、次のステージに進むには程遠い成績で、めでたく1位通過されたのは1位、1位、3位、1位、2位という素晴らしい成績のももさんでした。
予選の途中では、実はこの日が私の55回目の誕生日だったのですが、なんと主催のとりっくまさんと別府さいさんから、バースデーケーキという、とても嬉しいサプライズを用意して下さっており、参加者の皆さんで祝って頂きました。
とりっくまさん、別府さいさん、そして参加者の皆さん。ありがとうございました。
今までで一番良い思い出になる誕生日になりました。
準決勝ラウンドは各グループで最も好成績だった以下の5名の方が選ばれたのですが、いずれもぶっちぎりという傾向だったそうです。
ちょろさん、ルートさん、さかさん、無音さん、ももさん
準決勝と決勝が行われている間に「乞食と泥棒」(1984年発売)という、かなりレアなトリテを持参されていたヒゲボドさんから、「かぶけんさん、良かったら遊ばれます?」とお誘い下さり、同じグループだった絵梨さんと2人(2〜4人用ですが、2人が一番面白いとのこと)で遊ばせて頂きました。
【カード構成】
4スート32枚
・赤/青/緑:3〜8
・黒:1〜14(全て切り札)
◎マストフォロー
お互いの前に6枚伏せて並べ、更にその上には表向きに6枚、手札は4枚ずつ。
出せるカードは4枚の手札と自分の前にある表向きのカードで、表向きのカードを出すたびに伏せたカードが出せるようになります。
そして全てのカードを使い切るとゲームが終了します。
なお、各カードにはカードのランク以外に数字が記載されているカードが半数以上あり、その数字が得点になります。
・赤/青/緑
3(-)4(-)5(1)6(4)7(10)8(11)
※( )内の数字が得点
・黒(全て切り札)
1(-)2(-)3(-)4(-)5(1)6(4)7(10)8(11)9(2)10(2)11(13)12(3)13(3)14(3)
※( )内の数字が得点
遊ぶ直前までは、4枚の手札って少なすぎるのでは?と感じたのですが、実際は自分の前の表向きのカードも手札のように使えるので、逆にこの4枚という枚数が絶妙で、それに加えて表向きのカードの下に伏せられているカードが、徐々に明らかになっていくドキドキ感がたまらなく良いです。
またプレイ感が軽いのでとても遊び易く、手札運はそれなりにあっても、それが気にならないくらい良く洗練されたシステムが素晴らしいです。
ちなみ得点の合計は「120」になります。
どちらかが250点を超えたら勝ちというショートルールで3回も遊ばせて頂き、すっかりこのゲームの虜になりました。
また隣のテーブルではこちらもレアのトリテ、ドラゴンクエストの「銀のタロット」が遊ばれていました。
準決勝:テキサスショーダウン(GOTTA2 CAFE様ブログより拝借)
勝ち上がり:ルートさん、無音さん、さかさん
この3名が決勝ラウンドへ。
決勝:B.O.N(昨年遊んだトリテの中ではこれが自分的ベストでした)
B.O.Nのルールについてはとりっくまさんのツイートを参考に。
[BON] 韓国のトリテ。3つのスート(色)でマストフォロー。色には強さがあって数字より優先される。トリックに勝った色の強さが1番弱くなる。
— とりっくま (@trick_kuma) December 4, 2019
勝たないといけないトリック数が決まっていて(3人戦だと3回)、ぴったりだと1点。0トリックだと2点。
パスカードはいつでも出せてトリックに負ける#トリテ pic.twitter.com/bDWdj93JVq
優勝: 無音さん
準優勝:ももさん
第3位: ルートさん

無音さんが優勝商品に選ばれたのはB.O.Nでした。

ももさんが手にされているのは韓国版のボトルインプ。
大会終了後はゲムマ大阪向けのトリテ、『ドッグタッグトリック』を4人、ゲムマ春向けのトリテ『ダイヤは誰の手に』を5人で遊んで頂き、特に後者は5人プレイでの調整の方向性が見えて良かったです。
かすみんさんに遊ばせて頂いたドデカLCR。実はこのゲームはタイトルだけは知っていたのですが遊ぶのは初めてでした。通常版よりも先にこのサイズで遊べて良かったというか、ただダイスを振るだけの運ゲーではあるのですが、8人でこのサイズはめちゃくちゃ盛り上がりましたw
だらだらと長文になりましたが、改めてトリテの楽しさを実感でき、しかも誕生日まで祝って頂けたおかげで、最高の一日になりました。
どのグループも同じタイミングで終われるようにと、大会種目のチョイスや進行を練って下さったとりっくまさん、メダルや私のバースデーケーキまで準備して下さった別府さいさん、参加者の皆さま、お疲れ様でした。
そしてこのような場所を提供して下さったボドラボのちむ店長様、ありがとうございました!!


とりっくまさんとかすみんさんから頂いた、決勝種目のB.O.Nとゴーフル(とても美味しかったです!)